社内向けの基調講演として、テクニカルリーダーの松岡さんに「なぜエンジニアになったのか」を語ってもらう機会がありました。もともとはデザイナーだったという意外な経歴から、約30年のキャリアで大切にしてきた考え方まで、インタビュー形式で振り返ってもらいます。
始まりはデザイナーだった
インタビュアー
松岡さんは今、開発の第一線で活躍されていますが、最初からエンジニア志望だったのですか?
松岡さん
いえ、まったく違います。もともとはホームページ制作会社で、デザイナーとして働いていました。画面のデザインを作ることが仕事で、プログラムを書くつもりはなかったんです。
インタビュアー
そこから、どうしてプログラムを書くようになったのですか?
松岡さん
会社の規模が小さくて、だんだん一人体制に近い状態になっていったんです。デザインだけをやっていればいい状況ではなくなって、必要に迫られてプログラムも担当するようになりました。誰かに「エンジニアになれ」と言われたわけではなく、目の前の仕事をこなしているうちに、気づいたらそちら側の人間になっていた、という感覚です。
インタビュアー
かなり自然な流れだったんですね。
松岡さん
本当にそうです。よく「なぜエンジニアになったんですか」と聞かれるんですが、正直に答えると「流れに任せたらこうなった」んですよ。狙ってこの道を選んだというより、必要とされることに応えているうちに、今の自分になっていた。格好いい理由ではないかもしれませんが、それが実感です。
得意なもの、まだ得意じゃないもの
インタビュアー
得意な言語や技術はありますか?
松岡さん
PHPは長く触ってきたので得意ですね。最初期はPerlを使っていましたし、Javaも経験があります。資格は特に持っていませんが、現場で必要になったものを一つずつ身につけてきました。
インタビュアー
逆に、苦手な技術に出会ったときはどう向き合っていますか?
松岡さん
「苦手」という言い方はあまりしないようにしています。代わりに「まだ得意じゃない」と捉えるんです。今できないだけで、これから経験を積めば得意になるかもしれない。そう考えると、新しい技術に向き合うときの気持ちが少し軽くなります。
新聞社との仕事が転機になった
インタビュアー
これまでのキャリアの中で、大きく成長できたと感じる出来事はありますか?
松岡さん
前職で、新聞社と仕事をするようになった時期です。ニュースサイトの構築や、SNSの運用まで、それまでよりずっと幅広い仕事を任されるようになりました。専門外のことも多く、正直かなり必死でしたが、とにかく食らいついていくしかない状況でした。
インタビュアー
なぜ、そこまで幅広い仕事を任せてもらえたのだと思いますか?
松岡さん
振り返ると、フットワークの軽さが、先方のニーズにたまたま合っていたのだと思います。頼まれたことにすぐ動く、分からないことも一度引き受けて調べながら進める。そういう姿勢が、次の仕事につながっていった感覚があります。
モチベーションは、小さな達成の積み重ね
インタビュアー
約30年、エンジニアとしてのモチベーションをどう保ってきたのですか?
松岡さん
大きな目標だけを見ていると疲れてしまうので、小さい目標をいくつも立てるようにしています。それを達成できたら、自分でしっかり褒める。地味なようですが、これが一番効きます。
インタビュアー
失敗したときはどう受け止めていますか?
松岡さん
失敗も経験の一つだと捉えるようにしています。うまくいかなかったこと自体に価値があって、次にどう活かすかを考える材料になる。それから、たまにはこっそりやりたいことに挑戦してみるのもいいですよ。誰にも宣言せずに始めてみると、意外と長続きしたりします。
インタビュアー
最後に、これからエンジニアを目指す方にメッセージをお願いします。
松岡さん
最初から明確な理由やビジョンがなくても大丈夫だと思います。私自身、狙ってこの道を選んだわけではありません。目の前の仕事に真剣に向き合っているうちに、道は自然と開けていきます。苦手なことも「まだ得意じゃないだけ」と捉えて、少しずつ経験を重ねていってほしいです。
